幹事ノウハウ

キックオフの議事録テンプレートとアジェンダ項目、スライドに載せること

キックオフの議事録テンプレートとアジェンダを準備する様子

キックオフは、当日の進め方そのものより「何を作って、何を残すか」でスタートの速さが変わります。アジェンダとスライド、そして議事録がそろっていれば、決めたことがそのまま次の動きにつながるからです。この記事は成果物の中身づくりに絞ってまとめました。会議の進め方はキックオフミーティングの進め方、会場選びはキックオフをオフサイトで開くときの会場選びを参照してください。

Asanaが公開した調査「仕事の解剖学 インデックス」(2023年)でも、日々の業務では調整や会議に時間が取られやすいことが指摘されています。だからこそ、キックオフで作る資料は「その場を回すため」だけでなく「あとで迷わないため」に設計しておくと効きます。

キックオフで用意する3つの成果物(アジェンダ・スライド・議事録)

キックオフの準備物は、役割の違う3つに分けて考えると迷いません。それぞれが「設計図」「中身」「記録」に対応します。

アジェンダは会議の設計図です。何を、どの順番で、どれくらいの時間をかけて話すかを先に決めておくもので、参加者への事前共有物にもなります。アジェンダがあると、当日の脱線を戻しやすく、事前に「この議題なら誰の同席が必要か」を判断できます。

スライドは会議で見せる中身です。目的・背景・ゴール・体制・スケジュールといった、口頭では流れてしまう情報を全員が同じ画面で確認するための資料です。プロジェクト管理ツールBacklogのキックオフミーティング解説でも、キックオフ資料に入れる要素としてプロジェクト概要、スケジュール表、体制図などが挙げられています。スライドはこの「概要を共有する」役割を担います。

議事録は会議の記録です。決めたこと、宿題として残ったこと、誰がいつまでに何をするかを文字に残し、欠席者や関係部署にも同じ情報を届けます。プロジェクト管理の解説記事Asana「プロジェクトキックオフミーティングとは」でも、会議で使った資料や決定事項を後から参照できる場所に残しておく運用が推奨されています。

この3つは独立しているようで、実は連動しています。アジェンダの議題がスライドの見出しになり、スライドで示したゴールや体制が議事録の決定事項として確定していく、という流れです。逆に言えば、アジェンダの項目を決めておけば、スライドの構成も議事録の項目もほぼ自動的に決まります。

アジェンダに入れる項目と雛形

アジェンダは「話す順番」と「時間の目安」をセットにしておくと、当日に迷いません。標準的に入れておきたい議題は次のとおりです。

  • 開会・自己紹介(初対面のメンバーがいる場合)
  • プロジェクトの目的と背景の共有
  • ゴールと成功の定義
  • スコープ(やること・やらないこと)の確認
  • 体制と役割分担
  • 大まかなスケジュール
  • 想定されるリスクや懸念点の洗い出し
  • 次にやること(ネクストアクション)の確認
  • 質疑応答・クロージング

事前共有のしかたも決めておきます。アジェンダは会議の2〜3営業日前までに参加者へ送り、あわせて事前に目を通しておいてほしい資料(企画書や要件のメモなど)へのリンクを添えると、当日の説明を短くできます。Asanaの解説でも、キックオフ前に関連資料を共有し、参加者が予習できる状態にしておくことが挙げられています。

そのまま貼って使える粒度のアジェンダ雛形が次の表です。時間はあくまで一例で、プロジェクトの規模に合わせて調整してください。

時間の目安議題担当
5分開会・本日のゴール確認進行役
5分参加者の自己紹介全員
10分プロジェクトの目的・背景PM
10分ゴールと成功の定義PM
10分スコープ(やること/やらないこと)PM
10分体制図と役割分担PM
10分スケジュールとマイルストーンPM
10分リスク・懸念点の共有全員
10分ネクストアクションの確認進行役
10分質疑応答・クロージング全員

この表をそのまま議事録の議題欄にも転用できます。時間割の細かな運用や進行のコツは、この記事では扱いません。当日の進め方はキックオフミーティングの進め方を参照してください。

スライドに載せること(項目別に何を書くか)

スライドは項目ごとに「ここに何を書くか」が決まっていると、作成が一気に楽になります。穴を埋めるつもりで用意していきましょう。

表紙 - プロジェクト名、開催日、主催部署(またはクライアント名)を入れます。社外向けなら自社名とプロジェクトの正式名称を明記します。

目的 - このプロジェクトを「なぜやるのか」を1〜2文で。事業上の狙いや解決したい課題を、抽象的なスローガンではなく具体的に書きます。

背景 - どういう経緯でこのプロジェクトが立ち上がったか。前提となる市場環境、社内の状況、過去の取り組みとの関係を簡潔に。ここが弱いと、後から参加したメンバーが判断に迷います。

ゴール - 何が達成できたら成功と言えるかを、できるだけ計測可能な形で。「◯月までに◯を公開する」「◯を◯%改善する」のように、期日と指標をセットで書くと認識がそろいます。

スコープ - やること(対象範囲)と、やらないこと(対象外)の両方を書くのがポイントです。「やらないこと」を明記しておくと、途中での範囲の膨張を防ぎやすくなります。

体制図・役割分担 - 誰がどの役割を担うかを図で示します。Asanaの解説では、キックオフの成果物として体制表や役割分担(RACIのような責任分担の整理)を用意することが挙げられています。決裁者・相談先が一目で分かるようにしておきます。

スケジュール・WBS - 主要なマイルストーンと、そこに至る作業の大きな塊を時系列で。細かなタスク分解は別ドキュメントに譲り、スライドでは全体像が見える粒度にとどめます。Backlogの解説でもスケジュール表はキックオフ資料の定番項目として挙げられています。

リスク・懸念点 - 現時点で見えている不確実要素と、その対応方針の当たりを書いておきます。「まだ分からないこと」を可視化しておくと、後の議論が早くなります。

ネクストアクション - 会議の直後に誰が何をするか。ここが具体的だと、キックオフがそのまま動き出しにつながります。

社内向けと社外(クライアント)向けでは力点が変わります。社内向けは体制・役割・スケジュールなど「動くための情報」を厚めに、社外向けは目的・背景・ゴールなど「合意形成のための情報」を丁寧に見せると伝わりやすくなります。

日程・人数がざっくり決まっていれば、会場側に概算の見積もりを頼めます。資料が固まる前でも問い合わせは可能です。空き状況の確認だけでも承ります(日程・人数だけで概算見積もりのご相談はこちら)。

議事録のテンプレートと、入れておくと役立つ項目

議事録に「これは絶対に書かなければならない」という法定の決まりがあるわけではありません。ただし、実務でよく入れる項目、入れておくと後から役立つ項目はおおよそ決まっています。

  • 会議名
  • 日時
  • 場所(オンラインの場合は使用ツール)
  • 出席者・欠席者
  • 議題
  • 決定事項
  • ToDo(担当者・期限つき)
  • 次回予定

コツは、会議直後に読む人が最初に知りたい情報を冒頭に置くことです。つまり「決定事項」と「ToDo」を議事録の一番上に持ってきます。議論の経緯は下にまとめ、上から読めば結論が分かる構成にしておくと、欠席者や上長への共有が速くなります。

そのままコピーして使える穴埋め式の議事録フォーマットが次のものです。

■ 会議名:〔プロジェクト名〕キックオフ
■ 日時:____年__月__日 __:__〜__:__
■ 場所:__________(オンラインの場合:使用ツール名)
■ 出席者:__________
■ 欠席者:__________

【決定事項】
・__________
・__________

【ToDo】
| 内容 | 担当 | 期限 |
|------|------|------|
|      |      |      |
|      |      |      |

【議題と議論の要点】
1. __________
2. __________

【次回予定】
・日時:__________
・議題:__________

議事録のテンプレートを一から作るのが手間な場合は、Microsoftが公開している会議議事録のテンプレートも利用できます。これはキックオフ専用ではなく、あらゆる会議に使える汎用の議事録テンプレートです。項目立てを参考にしたうえで、上記のようにキックオフ向けへ手を入れて使うとよいでしょう。Asanaの解説でも、作成した議事録や資料はプロジェクトの管理ツールなど「後から誰でも見られる場所」に格納しておく運用が挙げられています。

対面・懇親会つきキックオフでの工夫

対面で集まり、そのまま懇親会まで行うキックオフでは、作った資料の「見せ方」と「残し方」に少し工夫が加わります。

スライドは大型モニターに映し、全員が同じ画面を見ながら進めると、目的やスケジュールの認識がそろいやすくなります。体制図や役割分担のように、その場で補足や修正が出やすい項目は、ホワイトボードに書き足しながら確認すると議論が進みます。決まったことは写真に撮って議事録に添付しておけば、記録の抜けを防げます。

懇親会をセットにする場合は、議事録に会議の記録だけでなく、懇親会の出欠や二次会の案内も残しておくと、幹事の連絡が一本化できて便利です。「懇親会◯名参加/会場は同フロア/二次会は希望者のみ」といった一文を議事録の末尾に添えるだけで、当日の案内が楽になります。

会議から夜の懇親会までを一か所で完結させたい場合、バーがあるイベントスペースは段取りがシンプルです。Workspace & Bar 56は東京メトロ日比谷線「人形町」駅から徒歩2分、東京都中央区日本橋人形町2-21-1 FSビル 5Fにあります。日中は大型モニターを使った発表やワークの会場として、夜は同じ場所でそのまま懇親会に切り替えられます。移動や会場の二重手配が要らないぶん、幹事は資料づくりや進行に集中できます。料金は利用時間・人数・飲食の組み合わせによって変わるため、目安のご案内と正確な金額は問い合わせ時にお伝えします。会場選びそのものはキックオフをオフサイトで開くときの会場選びにまとめています。

よくある質問

スライドは何枚くらいが適切ですか。

枚数の決まりはありませんが、キックオフでは目的・背景・ゴール・スコープ・体制・スケジュール・リスク・ネクストアクションといった項目を1〜2枚ずつ扱う構成が扱いやすいです。1枚に情報を詰め込みすぎず、1項目1メッセージを目安にすると読みやすくなります。

アジェンダは何分単位で区切ればよいですか。

一例として5分・10分単位で区切ると調整しやすく、参加者にも時間感覚が伝わりやすくなります。議論が起きやすい議題(スコープやリスクなど)は少し長めに取り、共有だけの議題は短めに、とメリハリをつけるのがおすすめです。細かな進行のコツはキックオフミーティングの進め方を参照してください。

議事録はどこまで詳しく書くべきですか。録音でも代用できますか。

決定事項とToDo(担当・期限)は必ず文字に残すことをおすすめします。議論の経緯は要点のみで十分です。録音は補助として便利ですが、録音だけだと後から必要な情報を探すのに時間がかかります。決定事項とToDoは文字で、細部の確認用に録音を残す、という併用が実務的です。

資料は事前配布と当日配布のどちらがよいですか。

アジェンダと予習してほしい資料は事前配布、詳細なスライドは当日投影というかたちがよく使われます。事前に目的や議題を共有しておくと、当日の議論に時間を割けます。ただし機密性の高い内容は、配布範囲や共有方法に配慮してください。

オンライン参加者がいる場合、記録で気をつけることはありますか。

発言者が誰か分かりにくくなりやすいので、議事録では発言者名を明記すると後で追いやすくなります。画面共有した資料のリンクや、チャットで出た質問・決定も議事録に取り込んでおくと、会場参加者とオンライン参加者の情報差が生まれにくくなります。場所の欄には使用したオンラインツール名も記録しておきましょう。

まとめ

キックオフの準備は、アジェンダ(設計図)・スライド(中身)・議事録(記録)の3つを、項目単位で「何を書くか」まで落とし込んでおくと迷いません。アジェンダの議題がスライドの見出しになり、そこで決めたことが議事録の決定事項として残る、という一本の流れを意識すると、作る手間も減り、あとで参照しやすい資料になります。この記事のアジェンダ雛形と議事録フォーマットは、そのままコピーして使えるので、次のキックオフの下敷きにしてください。

対面で集まり、そのまま懇親会まで行うキックオフを考えているなら、会議から夜の集まりまでを一か所で完結できる会場だと段取りがシンプルになります。Workspace & Bar 56は人形町駅から徒歩2分、大型モニターを使った発表から夜の懇親会まで同じ場所で開けます。日程・人数がざっくり決まった段階でも、日程が未定でも、まずは空き状況の確認だけでもご相談ください(空き状況・概算見積もりのご相談はこちら)。会場の収容・設備・料金の目安・予約の流れはWorkspace & Bar 56 の貸切ガイドにまとめています。

← 記事一覧へ戻る